令和4年度1月【学校長の部屋】鴻池小
未来の学校みんなで創ろう
令和5年1月25日(水曜)
1月20日(金曜)に、東京学芸大学竹早地区附属学校園公開研究会が3年ぶりに対面式で行われました。テーマは、「未来の学校 みんなで創ろう PUROJECT」、未来といっても遙か先のことではありません。10年後の学校教育のあり方について、学校と大学関係者と企業や行政が連携して教育支援システムの構築や学校運営、教員の働き方改革など、学校に関係する様々なことを総合的に研究を進めるというものです。未来の学校のビジョンは、「好きに、挑む」です。子どもが好きに挑むだけではありません。学校に関わる大人も含め、全員が好きに挑むプロジェクトなのです。何か、「まずは、まずやってみよう」を思い出させてくれるようなことばです。教育や学びだけではなく、学校の仕組み自体も変えていこうとするものです。このプロジェクトの実施にあたっては、40を超える企業と大学教員15名が参画し、4つの市町村の教育委員会が連携協力をしています。いわゆる「共創」です。「共創(Co-Creation)」とは、2004年にアメリカミシガン大学ビジネススクール教授のC.K.プラハラードとベンカト・ラマスワミが共著『価値共創の未来へー顧客と企業のCo-Creation』の中で述べた概念が始まりと言われています。企業がそれまで自社内だけで行ってきた企画・開発・事業化活動などを消費者、協力企業、教育機関、研究機関、自治体など、さまざまなステークホルダー(直接・間接的な利害関係を有する者)と対話・協業しながら進め、新しい商品・サービスの開発など、新しいビジネスモデルを生み出すことを目指しています。未来が見通しづらい時代に企業の成長を支える策の一つとして、注目されています。話は、学芸大学付属小学校に戻りますが、このプロジェクトは、同じ問題意識を持った人がチームを作ります。「GIGAスクール時代の学習環境を整えよう」や「未来の学校図書館をつくろう」「誰にとっても居心地のいい学びの場を」など、9つのチームが、主体的・対話的で深い学びを実現するための学校の「環境」をどう変化し、深化させていくかについて多様なテーマで研究を進められています。子どもが取り残されない学びをキーワードにして「共創」を設定しています。子ども一人一人の持つ才能を十分に発揮できる学習の場を設定することを目指し、授業実践をされています。特に印象的だったのは、これまで学校においては当たり前のように行われていた「PDCAサイクル(Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善))」ではなく、「OODAループ(Observe(観察)、Orient(状況判断、方向づけ)Decide(意思決定)Act(行動))」と、元々は勝敗に関わる意思決定と実行のための思考法の一つですが、変化が激しい状況下では、OODAループを上手く活用することにより、素早く適切な意思決定・実行が可能になります。どちらがいいのかと言うことではなく、目的に応じて使い分けることが大切ということを学びました。
実際の研究授業では、「TEAM 誰にとっても居心地のいい学びを」の授業を参観しました。「自由感」、「安心感」、「目的・理念の共有」という3つの要素を集団における「居心地の良さを生む要素」として、授業が行われました。授業では、総合学習「5-2まつりseason2」をテーマに、子どもたちがお祭りを作り上げていきます。そこには、お祭りの起源やお祭りができた当時の人々の生活や食との関係を学ぶ姿や現代のお祭りの地域創生や商業性といった側面など、学んでいくことになります。作り上げたお祭りを交流する相手も含め、自分たちの活動の広がりが子どもにとって大きな動機付けになっています。一人一人の子どもたちが主体的に活動する姿が印象的で、それぞれの活動が認められている中で行われていることが想像できます。そこに子どもたちの「居心地の良さ」が表れている授業でした。
ここ数年で、学校も変わってきました。これまでになかったICT教育やプログラミング教育、これから先、ますます変化の激しい、そしてスピードを増していく社会の中で、10年後の学校はどう変容していくのでしょうか。
1.17を忘れない!
令和5年1月17日(火曜)
28年前の1995年1月17日午前5時46分に発生した阪神・淡路大震災では、私たちの大切なものを数多く奪っていきました。今年も震災で亡くなられた方を追悼するとともに、震災で培われた「きずな・支えあう心」「やさしさ・思いやり」の大切さを次世代へ語り継いでいくため「阪神淡路大震災1.17のつどい」が、神戸市の東遊園地で行われました。2000年1月17日、東遊園地に建立された「1.17希望の灯り」の碑文には、阪神淡路大震災で奪われたすべての命と、生かされた私たちの思いが凝縮されています。8日には、東遊園地で「1.17希望の灯り」の分灯式が行われました。「希望の灯り」は、震災の犠牲者と生き残った人たちの思いをつなぐ証で、分けられた灯りは各地の追悼行事で灯されます。「1.17希望の灯り」は、被災10市10町を巡って運んだ種火と47都道府県から寄せられた種火を一つにした灯りが灯されています。

碑文は、震災で亡くなった方々の命と生き残った私たちへのメッセージを発信し続けています。
私も28 年前の 1 月 17 日のことは鮮明に記憶に残っています。朝早く起きて、学校に行く支度をしているときでした。急に背後から恐ろしい地鳴りが迫ってきたかと思った瞬間、体を突き上げられるような揺れが起こりました。台所の鴨居がスローモーションのようにぐにゃっとまがり、折れていたらどうなっていたのだろうと、今思い出してもぞっとします。そして、家の中の家具が倒れ、お茶碗やコップなどが床に散乱し、2階に寝ていた子どもたちは大丈夫かと階段を駆け上がり、子どもの声を聞いて一安心したことを、昨日のことのように覚えています。そして、しばらくの間は、少しの揺れにも敏感になり、寝ていてもすぐに目が覚めるという状況が続きました。地震直後の情報では、神戸の町が煙を上げて燃えている光景や阪神高速道路が倒壊してバスが落ちそうになっている光景など、信じられない、そしてとんでもないことが起こったのだと怖くなったものでした。あれから 28 年が経ちます。毎年 1.17 が近づくと震災に関連する話題が新聞等で特集されています。目の前の子どもたちはもちろんのこと、保護者の方々でも当時幼くて震災の記憶が薄い方も多くなるなど、震災を知らない世代が増えています。私たち教師も防災教育の大切さはわかっているものの、震災を知らない教師が増え、今、震災をどのように伝えていけばいいのか、大きな壁が立ちはだかっています。28年前に何が起こって、復興のために人々がどう取り組んできたのか、そして今もなお大切な人を失って傷ついて悲しみが消えない人がいます。その気持ちに寄り添い、元気にするのは「人の心」しかありません。あの日のことを忘れないためにも、「1.17は忘れない」を合言葉に、「人と人とのつながり」や「自分の命を自分で守る防災意識」を大切にし、高めていかなければならないと思います。
3学期始業式から
令和5年1月10日(火曜)
新年あけましておめでとうございます。新しい年、令和5年がスタートしました。今朝も本当に気持ち良く挨拶することができました。やや肌寒さを感じますが、天気も良く最高の形で3学期の始業式を迎えることができたと思います。
冬休みはどうでしたか?いつもの冬休みと違って17日間と長かったのです。帰省や旅行に行った人もステイホームを楽しんだ人も、充実した冬休みを過ごすことができたのではないでしょうか。
さて、2学期の終業式に3つのお願いをしました。その一つ、『夢や目標を決めよう』について、令和5年の夢や目標を考えることができたでしょうか?考えた人は、その夢や目標に向かって努力し続けてほしいと思います。まだ、何も決めていないという人がいるかもしれません。新しい年を迎え、何をするにも「夢」や「目標」がないのでは自分を鍛えたり、伸ばしたりすることができません。ぜひこの機会に考えてください。何をするにもきっかけが必要です。今がそのチャンスの時です。
今年は、卯年です。卯年は、芽を出した植物が成長していき茎や葉が大きくなる時期で、目に見えて大きく成長する年だといわれています。また、うさぎは跳びはねることから、飛躍するという象徴になります。うさぎのように跳ね上がるよい1年になることを願いましょう。夢や目標を決めたら、とにかく一生懸命努力することが大切です。そうすれば、たとえ夢や目標が叶わなかったとしてもその努力は決して無駄にならず、次の夢や目標に必ず生きてきます。
私の夢・目標は、鴻池小学校に笑顔がいっぱいになることです。そのためにはまず、人間関係の基本となる挨拶が大切です。挨拶は人と人とをつなぐ魔法の言葉です。「おはようございます」だけでなく、「こんにちは」「ありがとう」といった挨拶も、よい人間関係を築くのにとても大切な言葉です。挨拶を交わすことで人と知り合い、仲よくなり、友だちになれます。鴻池小の全ての子どもたちが気持ちのよいあいさつを交かわし、笑顔いっぱい、気持ちのよい挨拶があふれる鴻池小学校にしていきましょう。
新しい年、令和5年、コロナに負けず、最高の年になるよう共に頑張りましょう!
「ピンチはチャンスだ ありがとう」
令和5年1月4日(水曜)
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。新型コロナウイルス感染症については、まだまだ心配なことが多い1年となると思います。でも、鴻池小学校は、「失敗を恐れず、『まずは、やってみよう!』」を合言葉に、夢を持って未来に向かう子どもたちを応援していきます。「ひとみ輝き、笑顔あふれる鴻池小学校」の実現に向け、職員一同、努力してまいりたいと思います。どうぞ、鴻池小学校の子どもたちのために、今年もご支援、ご協力をお願いいたします。

早速ですが、「成名毎在窮苦日、敗事多因得意時」は、中国唐代中期を代表する文人韓愈(かんゆ)のものです。この言葉は「日本資本主義の父」と呼ばれた澁澤榮一が、座右の銘としていたものです。「名を成すは常に窮苦の日に在り、敗れる事の多くは得意の時に因る」、すなわち、「失意の時には、心が引き締まり、油断しなくなるから、何事にも成功しやすい。逆に得意の時には、傲慢な心が原因で失敗しやすい」という意味です。名を残すような立派な仕事や成功するのは、いつも苦しい状況の中で前向きにがんばった時にこそあり、失敗するのは、得意になって慢心・油断の気持ちになっている時に起こるものです。人には、好調の時もあれば、不調の時もあります。不調だからといって悲しむ必要はありません。むしろ、喜んで努力する時期だと考え、強い意志をもって、ただひたすら前を向いていくことかと思います。ピンチはチャンス!何事も考え方次第で前向きに取り組むことができるものです。追い詰められた苦しい状態(ピンチ)を、絶好の機会(チャンス)と捉えて挑戦(チャレンジ)していくのは、自分自身にほかなりません。ピンチを乗り越えた先には、新しい自分(チェンジ)、成長した自分が待っています。
更新日:2023年01月25日