令和4年10月【学校長の部屋】鴻池小
鴻池小学校地区自主防災訓練

令和4年10月24日(月曜)
鴻池小学校地区自主防災訓練を23日(日曜)に実施しました。本校児童をはじめ、地域の方や保護者が参加し、伊丹市消防署の指導のもと、初期消火訓練や応急手当・負傷者搬送訓練、はしご車体験搭乗など体験しました。この取り組みは「自分たちの地域は自分たちで守ろう」とする自主的な活動で、大規模な災害が発生した場合、消防などの防災機関だけでは、十分な対応ができない可能性があります。このような時、住民が一致協力し、地域ぐるみで取り組むことが大切になります。
阪神・淡路大震災では、火災をはじめ、電話・電気・水道といったライフラインが途絶え、道路や橋梁、建物倒壊など、甚大な被害を受けました。そのような中でも、地域の方々の連携による消火活動や人命救助といった自主防災活動が行われました。そのおかげで、助けられた人も多いといわれています。阪神・淡路大震災で生き埋めになった人のうち、約8割の人が自力で脱出、あるいは家族や近隣の人によって救出されています。また、東日本大震災では近所の高齢者の安否確認や避難誘導など、自主防災組織が重要な役割を果たしました。災害発生時、まずは自分の身を自分で守ることが一番大事です。そして、安全を確保した人たちの助け合いが大きな力になります。これまでの災害においても、最も多くの人命を救ったのは、地域の人たちの助け合いだそうです。
地震や豪雨などの災害は、いつどこに襲ってくるかわかりません。避難場所や非常持ち出し品の確認など、一人ひとりが日ごろから災害への備えを心がけておくことが大切です。「備えあれば憂いなし」です。
夢の実現
令和4年10月19日(水曜)
「成功の条件はVWにあり」の続きです。元宇宙航空研究開発機構(JAXA)「はやぶさ」のプロジェクトマネージャを務めた川口淳一郎さんは、「高い塔を建ててみなければ、新たな水平線は見えてこない」という言葉をよく述べられています。その原点となっているのは、子どもの頃に父親からよく聞かされた言葉「足下ばかり見るんじゃない、時には顔を上げて上を見ろ」でした。この言葉を、「夢を実現する発想法」(致知出版社)での山中伸弥さんとの対談の中で次のように紹介しています。「一頭の牛が紐に繋がれて大草原にいる。牛は紐の届く範囲の草を、黙々と徹底的に食べ尽くす。しかし一度も顔を上げてみようとはしない。顔を上げてみれば大草原が遥か遠くまで広がっていて、おいしそうな草が山ほどあるのに、そこに気がつかないでいるのです」と。コツコツ学ぶことも必要でしょう。しかし、知識は人類が何百年、何千年にもわたって蓄積してきたものです。一人の人間がそれを完全にマスタ-するのは到底不可能です。そこでまずは「こういうことがしたい」という明確なビジョンを持つ。そのために英語の文献を読まなくてはいけない、だから英語の勉強をしよう。夢や目標を叶えるためのプロセスは、そういう順番であるべきだと語っています。「高い塔を建ててみなければ、新たな水平線は見えてこない」という言葉の意味するところは、「今までと同じ視線では、絶対にその先を見ることはできません。完璧でなくても、また、完璧をめざすのではなくチャレンジをすることで、今まで気づかなかった新しい気づきや発見ができる」ということです。新しいページを開いていくためには、「やったことがあるか」ではなく「やったことはないが、できる」という自信を持ってチャレンジすることです。誰でもやったことがないことにチャレンジするのは不安なものです。不安だからとチャレンジをあきらめたら、前に進むことはできません。もっと言えば、チャレンジをあきらめた時点で失敗です。あきらめないでチャレンジし続けることで道は開けます。
『いじめ』と向き合う!
令和4年10月13日(木曜)
今日の学校朝礼では、命の大切さを考える機会として「いじめ」をテーマに、松谷みよ子さんが書いた「わたしのいもうと」という絵本を紹介しました。内容を簡単に紹介すると、妹が小学校4年生の時に転校した学校で酷いいじめにあい、学校に行けなくなって最後は亡くなってしまうというものです。非常に重い話ですが、実話に基づいて作られており、数多くの小学校でいじめ撲滅や思いやり・命の大切さを考える教材として使われています。
この絵本を書いた松谷みよ子さんは「自分より弱いものをいじめる、そうしたいじめや差別こそが戦争につながっていくのではないでしょうか?恐ろしいのは、多くの人が自分でも知らないうちにいじめる側になっていることではないでしょうか」と絵本のあとがきに書いてありました。
自分がされて嫌なことや、言われて嫌なことは絶対にしないということ、そして、日々の言葉づかいや行動を振り返って、クラスでも話し合ってほしいと思います。
大津の中学生がいじめを苦に自殺してから、11年を迎えました。このことが大きく社会問題化したことをきっかけに「いじめ防止対策推進法」が施行されました。この法律を受け各学校では、「学校いじめ防止基本方針」を策定しました。そのような取り組みにもかかわらず、いじめが原因と疑われる自殺事案は後を絶たない状況にあります。いじめは、人として決して許されない行為です。しかしながら、どの子にも、どの学校にも起こり得る可能性があります。
鴻池小学校では、年2回の『生活アンケート』を実施し、いじめの実態把握に努めています。また、いじめは、人権に関わる問題であり、絶対に許されるものではないという認識のもと、「しない、させない、許さない」という姿勢を徹底し、いじめがあった時には、適切に対応をしていきます。まず、私たち教師は、子ども一人ひとりを丁寧に見つめること、子どもそれぞれの良さを認めること、自分は愛されているのだと実感させることが大切だと考えています。
今後とも、保護者の皆様と情報の共有化を図り、一人一人の子どもが笑顔で学校・家庭生活を送れるようご協力をお願いします。
秋の夜長
令和4年10月11日(火曜)
10月8日(土曜)は旧暦の9月13日にあたります。この日は「十三夜」といわれて、中秋の名月と並ぶ名月とされています。「十三夜」は、日本独特の風習で、はじまった理由には諸説あります。秋の収穫を迎えた喜びと感謝をお祭りとして月を愛でたという説。平安時代に醍醐天皇が、月見の宴を催し詩歌を楽しんだのが始まりという説。宇多法皇がこの夜の月を「無双」(二つとないこと。並ぶものがないほどすぐれていること)と賞したことによるという説など、諸説あります。お月見は、美しい月を眺めるだけでなく、実りに感謝をするという意味もあります。いずれにしても月を愛でるという風習が日本では続いて、私たちの心安まるひとときとなっています。「十三夜」は「十五夜」と対をなし、この二つを合わせて「二夜の月」とよびます。「十五夜」は収穫した芋を供えることから「芋名月」ともいい、「十三夜」は、「十五夜」の次ということで「後の名月」といったり、栗や豆の収穫時期なので「栗名月」や「豆名月」ともいわれたりします。5年生の国語科の時間に清少納言が書いた「枕草子」に綴られている秋の風景を音読しているのを聞き、美しい月のことを思い出しました。教科書には、「あなたは、秋のどんなところが好きですか」と子どもたちに問い、次の文章が続きます。「秋は夕暮れ。夕日さして山の端いと近うなりたるに、烏のねどころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさへあはれなり。まいて雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるはいとをかし、日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず」と、秋は夕暮れがとても味わい深いものだと表現しています。
少しずつ秋が深まりつつあります。あなたはどんな秋の風景を思い浮かべますか。私は、忙しさに終われてしまいがちな毎日、ちょっと立ち止まって、秋の澄んだ空気の中、様々に移ろう「月」の魅力を楽しみたいなと思います。もう一度、みなさんに「あなたは、秋のどんなところが好きですか」。
感動一杯の体育大会
令和4年10月4日(火曜)
2学期の始まりとともに、体育大会に向けて、みんなで一生懸命練習に取り組んできました。連日、30℃を超える暑さの中、子どもも教師も運動場や体育館で汗だくになって練習してきました。スローガン「練習の成果を精一杯出しきろう」のもと、子どもと教師が心一つに取り組んだ結果として、素晴らしい体育大会を作り上げることができました。そこには、体育大会の成功を陰で支えていただいたPTA役員の皆さんがいたからだと、心から感謝しています。また、保護者の皆様、地域の皆様、そして、ご来賓の皆様には最後まで子どもたちの頑張っている姿を温かく見守り、ご声援をいただきましたことを改めて厚くお礼申し上げます。本当に有り難うございました。
体育大会に向けては、家でも学校でも一生懸命に練習に打ち込む子どもや、苦しい思いを誰にも言わずに頑張り抜いた子ども、また早朝からクラスの友だちとリレーの練習に取り組む子どもなど、運動が得意な子ども、運動が苦手な子どもといろいろな子どもたちがいますが、それでも、みんなと協力して最後までやり抜いた子どもたちがいました。ひたむきに頑張り続けた子どもたちの姿が、私たちを含め見に来てくれた人に感動を与えてくれました。
閉会式では、子どもたちの達成感にあふれた顔を見たとき、胸に迫るもの、感動がありました。それは、今日を迎えるために、体育大会に向けての時間はもちろんのことですが、休み時間を惜しんで教師と子どもが一緒になって体育大会を成功させようと取り組んできたことが思い浮かばれたからです。そして、体育大会本番、これまでの練習の成果を精一杯出しきるために、力一杯表現し、力一杯走る姿に感動を覚えました。子どもたちが一生懸命に取り組む姿は見るもの全ての人を感動させたことでしょう。これからも子ども自身が感動したり、保護者や地域の方に感動を与えられたりするような取り組みをしていきたいと考えます。そのためには、教師の果たす役割は大きいです。運動以外のことでも、子どもを中心において、本気で子どもを教育していく教師集団でありたいと思います。
更新日:2022年10月24日