令和5年度1月【学校長の部屋】鴻池小

更新日:2024年02月01日

失敗は成功のもと

令和6年1月24日(水曜)

  変化の激しい、予測不可能な時代だと言われています。でも、いつの時代であっても先は予測できません。ならば、どのようにでも生きられる可能性があるということです。

  アルバート・アインシュタイン(1879~1955)といえば、相対性理論を提唱した有名な物理学者であることは言うまでもありません。アインシュタインは、物理学の仮説だけでなく、多くの名言を残しています。校長室の黒板にも、「Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow. The important thing is not to stop questioning.」(「昨日から学び、今日を生き、明日へ期待しよう。大切なのは疑問を持ち続けることだ」)を記しています。

  成功も失敗も積み重ねながら生きる、今を生きるということは、学びの連続でもあります。成功にも失敗にも、これからを生きていく上では大きな意味があると言えます。明日のために学び、行動しましょう。そして、変化の激しい、予測不可能な時代を、安心して生きていくために、これまで培ってきた知識と経験を生かして、社会で起きている様々なことに関心を持って、真剣に考えていくことが大切です。常に自分はどう生きるべきかと考え続けることで、いつかは道が開けます。そしてもう一つ、「Anyone who has never made a mistake has never tried anything new.」(「挫折を経験した事がない者は、何も新しい事に挑戦したことが無いということだ」)。これもアインシュタインの有名な言葉です。新しいことに挑戦をすることは、失敗と挫折がついてまわります。もっと言えば、成功より、失敗の方が多いと言っても過言ではありません。私たちは、挑戦する時、つい失敗を恐れて足を止めてしまいます。どんな偉大な人でも決して失敗を避けては通れないのです。

  根拠のある自信を増やすこと、それは、失敗の量を増やすこと。失敗の量は行動した証です。行動するからこそ失敗があって、何もしなかったら失敗すらできません。恥ずかしいと思うのではなく、その失敗を積み重ねることが成功の根拠となります。

ともに1.17

令和6年1月17日(水曜)

  1995年1月17日、死者6,434名、負傷者43,792名という戦後最悪の極めて深刻な被害をもたらした阪神・淡路大震災から今日で29年を迎えました。そして、1月1日には、能登半島地震により多くの方が犠牲となりました。地震引き渡し訓練を始める前に震災で亡くなられた方々のご冥福を祈り、黙祷を捧げました。

  1月1日に発生した能登半島地震では、大きな揺れにびっくりした人もいたことでしょう。テレビや新聞報道を見ていると、観光地で有名な輪島の朝市も、火事で焼失し、あらゆる交通手段が断絶、人が生きていく上で必要な電気やガス、水がストップするなど、29年前に起こった阪神・淡路大震災を思い出さされました。そして、今なお、被災地では、学校が避難所となって、子どもたちと同じ小学生が始業式を迎えることなく、学校再開の見通しが立たない状況にある地域もあります。子どもたちは、今なお続く余震におびえながら避難先で様々な我慢をしながら過ごしていることを考えると、胸が締めつけられる思いです。一日も早い復旧と復興を願うばかりです。

  29年前の今日、伊丹市でも大きな地震に襲われ、大きな被害を受けました。当時、6年生を担任していたのですが、どの子も大きなけがもなく元気にしていたのですが、家が壊れて学校での避難所生活をする子や、水、電気、ガスなどのライフラインがストップする状況で自宅に水を運ぶ子や、被害が大きかった神戸に自転車に乗って「水を運ぶんだ」という子、自分たちに何かできることはないかと考え行動する子がいたことを思いだします。阪急伊丹駅が壊れている写真を見た人もいるでしょう。今は、きれいな伊丹駅になっています。人間の力ってすごいなと。復興するのは大変です。でも乗り越えられない試練なんてないんだと感じました。震災は、大事な人の命を奪い、深い悲しみの淵に沈めました。傷ついた心や大事な人を失った悲しみは消えないけれど、その気持ちに寄り添い心を元気にしたのも、『人の心』です。人の心は見えないけれど、『思いやり』という行動は見ることができます。どんな状況になっても優しい気持ちを忘れないで行動してほしいと思います。

  近い将来には、東海地震、東南海地震など、大地震が発生するといわれています。学校や家にいるときとは限りません。学校にいても放送で指示ができないかもしれません。また、学校へ来る途中や帰るときかもしれません。いつ何時起こるかわからないのが地震です。地震が起こったら、自分の命は自分で守る行動を取ってください。

  保護者の皆様、1月1日午後4時頃、能登半島地震が発生したように地震はいつ起こるかわかりません。いつ起こるかわからない地震が起こったら、自分の命は自分で守らなければなりません。地震に備えて、ご家庭でも家族が落ち合う避難先や何かあったときの対応について話し合っておくことも大切かと思います。備えによって、その被害をできる限り小さくする、「減災」をめざすことはできます。また、人や地域とのつながりが「減災」に結びつきます。地域の防災訓練などにも積極的に参加し、何ができるかを考えてほしいと思います。

新年のスタートにあたって

令和6年1月9日(火曜)

  新しい年、令和6年、「まずは、やってみよう」で、鴻池小学校の皆さんの笑顔があふれる学校にしていきましょう!冬休みも終わり、今日から3学期の始まりです。こうして皆さんの元気な顔を見ることができてうれしく思います。

  今年の干支は「たつ年」です。2024年「たつ年」の「たつ」は、十二支の動物の中では唯一の架空の生き物です。非常に縁起の良い神聖な生き物といわれています。「たつ年」にさらなる努力をすることで、成功にスピード感を持って近づける年となります。2023年「うさぎ年」は準備の年でしたが、2024年はその準備した結果が実を結ぶ年となります。天まで届く勢いで成長していきましょう

  さて、2024年はどんな年になるのでしょうか?2024年は、フランスパリでオリンピック・パラリンピックの開催がされます。これから社会や学校ではどうなっていくのでしょうか。例えば、IT技術の発達により人間に代わってロボットが仕事を行う将来が予測されています。学校でも、一人一台のタブレットが配布され、いつでもどこでもタブレットを使った授業が可能となりました。そして、教科書も令和6年度から順にデジタル教科書へと変わっていきます。人工知能(AI)をはじめとするテクノロジーの急速な発展などが見られます。でも、私たちが大切にしなければならないことは、物事を順序立てて考える力や解決する力、本を読んで考えたこと、自分の意見を発表したり、書いたりする力(読解力)が求められます。何よりも、自分の考えを持って、自分の意見を言えることが大切です。

  いつの時代になっても変わらないことも一杯あります。それは、何事にもチャレンジする気持ちです。ファースト・ペンギンのように勇気ある人になってください。

  失敗があってこそ成功や成果を味わい、その中の一つが自分の夢に変わっていくのだと思います。中国に2500年前、孔子という人がいました。孔子は、「最大の名誉は決して倒れないことではない。倒れるたびに起き上がることである」と言っています。失敗をしない人などいません。失敗をしても前を向き,何度も何度も起き上がり続ければ、必ず成功できるということを伝えています。だから、倒れたら、起き上がればいいの精神で!また、大リーガーの大谷選手は、昨年度も大リーグで大活躍。アメリカン・リーグで44本のホームランを打ってホームラン王に、そして、アメリカン・リーグの最優秀選手に選ばれました。アメリカのスポーツ史上最高額の1015億円でドジャースに10年契約で移籍しました。大谷選手が高校時代に大事にしてきた言葉が「不可能とは、自力で世界を切り開くことを放棄した臆病者の言葉だ」と、「不可能」という言葉はないことを伝えてくれています。バスケットボールをテーマにした「スラムダンク」。大きく点差をつけられてしまい敗色濃厚となってしまったシーンで、湘北高校(しょうほく)バスケット部の監督の安西先生がいった言葉です。「私だけかね・・・?まだ勝てると思ってるのは・・・」とエース桜木に、桜木は安西先生に「あきらめたんじゃなかったのかオヤジ・・・・・・」と聞き返します。そのあとに安西先生が桜木に言った言葉「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」と、諦めずやればまだ可能性があることを伝えてくれています。「もう駄目だ」と思った時に思い出してほしい一言です。最後に発明王と呼ばれたトーマス・エジソン。エジソンは、白熱電球や今の音楽を聞くための元となった蓄音機を発明するなど、1300もの発明品を作ったと言われています。特に、白熱灯の発明には、やっては失敗、やっては失敗と、約20000回のもの実験を繰り返してようやく一つの白熱電球を誕生させてと言われています。「私は決して失望などしない。なぜなら、どんな失敗も新たな一歩となるからだ」と言われています。「失敗も、新たな一歩」ということを伝えてくれています。

 「夢なき者に成功なし」、幕末の藩士、吉田松陰の言葉です。新しい年、大きな一歩を踏み出すチャンス、その一歩を踏み出す勇気、それがチャレンジ。チャレンジすれば、きっと何かが変わる、チェンジです。チャレンジする人には限りない魅力があります。輝かしい新年を迎えました。どうぞみなさんにとって令和6年度、2024年度がチャレンジの年になりますよう願います。

  新年にあたって、徳丸邦子さんの「しんねん」という詩を紹介して終わりにします。 

  ひがしのそらに まっさらのつきが

  あらいたてのかおして すましてる

  一がつ一たち ごご四じはん

  きのうときょう 一にちちがうだけで

  どうしてこんなにちがうんだろう

  きのうはおわりってきがした

  きょうははじまりってきがする

  おとそをのんで

  ほんのちょっぴり ほっぺたをあつくして

  あたらしいきょうと ともだちになる

  まっしろなしんねんに

  ぼくはどんなえをかこうかな

  令和6年が始まりました。何も描かれていない真っ白な1年がはじまりました。この1年,どんなめあてをもって,どんなことをがんばるのでしょうか。どんな絵を描くかは,皆さん次第です。自分の力を信じて,すてきな1年にしてください。先生たちは,みなさんを応援しています。