令和4年1月【学校長の部屋】

更新日:2022年01月27日

オンライン授業

令和4年1月27日(木曜)

  新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、本校では、26日(水曜)から28日(金曜)までの3日間、先生たちは子どもたちの学びを止めないためにICTと学習支援ソフトスクールタクトを活用するオンライン授業・学習に取り組んでいます。厳しい状況の中ですが、『ピンチはチャンス!』と考え、子どもと共に新しいことにも果敢に挑戦している鴻池小学校です。日頃から積極的にタブレット端末を使った授業を実施しているところですが、子どもたちがタブレット端末を持ち帰ってオンライン授業・学習に取り組むのは初めてのことです。初めての試みで大変ではあります。しかし、大変とは「大きく変わるチャンス」だと思っています。

                               

  早速、担任とZOOMを使っての朝の会を行っている学年、あちらこちらから「おはようございます」の声が聞こえてきます。覗いてみると、ガランとした教室でタブレット端末やノートパソコンに話しかける先生と自宅にいる児童たちがオンラインでつながっています。スクールタクトの機能を使って健康観察カードに体温や体の調子、気になることや学校に伝えたいことを記入して提出していました。また、国語や算数の学習プリントを課題に出している学年もあります。さらには、ZOOMの機能を活用して算数や国語、英語といった授業を、普段の授業と変わりなくオンラインで配信している学年もあります。子どもたちはきっと食い入るようにタブレットの画面をのぞき込んでいることと思います。先生たちみんながみんなICTが得意なわけではありません。それでも、目の前の子どもたちのために、ICTが得意ではない先生も、ICTが得意な先生にアドバイスをもらいながら、皆で協力し合い、試行錯誤しながら授業を進めています。タブレット越しに、先生から声をかけられた子どもの笑顔がとっても素敵でした。やっぱり、家にいても先生の顔を見ながら学習に取り組むことって大事なことだなと感じさせられるとともに、一人一台端末の素晴らしさを実感させられました。

  初めての試みでいろいろな課題等が出てくることが予想されますが、どうかご理解・ご協力の程よろしくお願いいたします。

大寒

令和4年1月20日(木曜)

  今日1月20日は、「大寒」です。一年間を24に分けた二十四節気の一つです。24番目の節気である「大寒」は、一年で最も寒い時期だそうです。でも、どこかで春の兆しも感じられる時期でもあります。二十四節気をさらに3つに分けた七十二侯、大寒は、初候、次候、末候の3つに分けることができ、それぞれふきのとうが顔をだし始める頃の「款冬華」(ふきのはなさく)、沢の水も凍りつき、厚く氷が張りつめる頃の「水沢腹堅」(さわみずこおりつめる)、春の気配を感じた鶏がたまごを産み始める頃の「鶏始乳」(にわとりはじめてとやにつく)と移り変わります。大寒は最も寒い時期ですが、寒さも底をつけば、春に向かって行くだけです。長い冬がもうじき終わり、希望の春がやってきます。    

  「冬来たりなば春遠からじ」です。辛い時期を耐え抜けば、幸せな時期は必ず来るという意味です。長い冬を耐えたならば、必ず春はやって来ます。今のコロナ禍での生活と重なるものを感じます。学校生活では、新型コロナウイルス感染症対策のために様々な制限の中、教育活動を行っています。制限は徐々に緩和されていってはいるものの、子ども同士の会話や遊びなど、コロナ禍以前のような自由ではありません。少しでも多くの経験をできるよう感染防止を心がけながら引き続き工夫した教育活動を行っていきたいものです。

学校業務改善

令和4年1月19日(水曜)

  学校業務改善への取り組みについて、平成28年に「学校現場における業務の適正化に向けて」と題して通知が出されています。学校現場を取り巻く環境が複雑化・多様化し、学校に求められる役割が拡大する中、教員の長時間勤務の改善が課題となっています。教員が子どもと向き合う時間を確保し、教員一人一人が持っている力を高め、発揮できる環境を整えていく必要があります。本校の学校業務改善に取り組みについて、学校評価を行った結果、「学校(教員)は、業務改善を行おうとする意識が高まっていますか」について、94%の先生が「そう思う、まあそうである」と回答しています。また、「週1回の定時退勤日を意識した働き方改革の定着を図ることができた」についても88%の先生が「できた、まあできた」と高い結果を得ることができました。学校業務改善とは、教職員の勤務時間の適正化です。学校業務改善に取り組むことによって子どもと向き合う時間が確保されると同時に教職員の超過勤務時間も削減されることにつながります。兵庫県が平成28年に行った教職員の勤務実態調査によれば、小学校の1日当たりの実質的な超過勤務(残業時間、休憩時間内、持ち帰りなどを含む)時間は、3時間7分という状況にあります。厚生労働省が示す時間外労働の上限月45時間(原則月45時間を超えることができるのは、年間6か月まで)、年360時間を上回る結果となります。この結果からも業務改善に取り組み、子どもと向き合う時間が確保されるよう取り組みを行っていかなければなりません。

  業務改善をすすめるにあたって大切なことはいったいなんでしょうか。教職員には、たくさんの業務があります。教科指導はもちろんのことですが、それに関わる教材研究、成績処理、面談、事務・報告書の作成、会議・打ち合わせ、備品・施設管理、問題行動への対応、学校徴収金(未納者)への対応、コロナ対策対応、ICTの活用、各研修会等々、たくさんの業務があります。多くの先生方が全部一から自分でしないといけないと思い込みます。まずは、その意識から働き方の改革を始めないといけません。何でも一人で全てをこなしていくことには無理があります。他の先生のよいところ、工夫していることどんどん取り入れていくこと、TTP(徹底的にパクル)です。本校では、研究を中心にしてガッツ研修を行っています。テーマはその時々によって違いますが、前回行った研修は、ICTを活用した業務の効率化がテーマでした。パソコン操作の得意とする若手教員が研修会の講師です。まず、出勤したら、パソコンを起動する。その間に出勤簿に押印をし、退勤予定時刻のボードに名前を貼って席に戻る。すると、パソコンが起動していてすぐに記録簿に出勤時刻を打ち込む。また、必要な資料をすぐに取り出せるように、自分がよく使うフォルダーのショートカットをデスクトップ上において置く。当然デスクトップ上は整理された見やすい環境にあります。また、ちょっとメモしたいことがあれば、付箋機能を使ってメモ書きができるようにしておく等々、簡単なことばかりです。その簡単なことを知っているか、知っていないか、活用するかしないかでちょっとした時間の差が生まれてきます。ちりも積もればなんとやらではありませんが、みんなが共有し、みんなで時間を生み出すことを考えるということが大切だなと感じます。この研修会は自由参加なのですが、興味を持った多くの先生が時間を作って参加していました。これから複雑・多様化する教育課題に対して、業務改善もその一つですが、個人で動くのではなく、チーム、組織で動いていくスタイルでなければなりません。

凡事徹底

令和4年1月12日(水曜)

  新型コロナウイルス感染症については、オミクロン株の影響もあり、再び拡大傾向となっています。今後の感染状況を注視しつつ、子どもたちの安全確保を第一として、引き続き感染予防対策を徹底しながら、教育活動を進めていかなければなりません。コロナ禍であっても3学期はあります。1年があります。そこには、子どもたちがいます。様々な出来事が起ころうともよりよい教育活動を進めていこうという気持ちには変わりはありません。変化の激しい時代に合って、改めて凡事徹底の大切さを感じています。「凡事」、当たり前のことです。先生や友だちにあいさつをしたり、時間を守ったり、みんなと協力して掃除をがんばったり、日直の仕事を責任持って進めたり、係活動もそうです。学習でも同じです。先生や友だちの話をしっかりと聞いて、自分の考えをもったり、発表したり、グループで話し合ったり協力し合いながら学習をします。コロナ禍であろうと無かろうとやるべきことを行う。当然、コロナ対策として3密を避けて、マスクの徹底、手洗いの励行を行った上です。当たり前のことを当たり前にする、一つ一つは決して難しいことではありませんが、気を緩めることなく、しっかり行っていくことが大切なときです。「凡事徹底」です。なんでもないような当たり前のことを、誰にもできないくらいに徹底してやることの大切さを意味する言葉です。

  新しい学年への準備となる3学期がよりよいまとめの学期となるよう、私たち教職員が子どもたちとのかかわりにあたり「凡事徹底」を大切にしたいと考えています。どんな社会にあっても、日々の当たり前の営みこそ、生きる力の土台となっています。子どもたちが未来に大きく羽ばたけるよう当たり前の積み重ねを大切に取り組んでいきます。

3学期始業式から

令和4年1月7日(金曜)

  冬休みも終わり、今日から3学期がスタートしました。元気な子どもたちの顔を見ることができました。

  さて、今年の干支は「寅年」です。トラは、中国では、百獣の王と呼ばれ、何事にも恐れずに挑戦し続けることから、古くから武勇や王者の象徴とされてきました。道を切り開いて進むトラのように、先の見えない状況でも希望を失うことなく進んでいきましょう。中でもホワイトタイガーは、「白虎(びゃっこ)」、白いトラと呼ばれ神様のような存在として人々から敬意を払われてきました。

  日本には、「一年の計は元旦にあり」という諺があります。何事もはじめが肝心、一年の計画、夢や目標は元旦に決めなさいということです。そして、充実した年となるために、大きい夢や目標があれば、それは素敵なことです。でも、夢や目標と言っても決して大きなことじゃなくていいです。毎日の小さい目標でも十分です。日常の中に、ちょっとでいいから頑張る時間を作る。毎日、少しずつ小さい目標を達成していく。それだけでとっても素晴らしいことだと思います。ところで、「一年の計は元旦にあり」の由来となったのは、毛利元就(戦国武将)の言葉です。「一年の計は春にあり、一月の計は朔(ついたち)にあり、一日の計は鶏鳴(一番鶏が鳴く早朝)にあり」、この言葉が由来と言われています。毛利元就は、何事も最初が肝心であるということを話したと言われています。こんな逸話があります。元日の朝、家臣が毛利元就にお祝いの食事を食べるように伝えたところ、元就が「なぜ元旦は祝うか?」とたずねました。答えることができない家臣に向かって、元就はこう答えたそうです。「世の愚か者どもは、恵方を拝んで、屠蘇を飲み、長寿・子孫繁栄祝って浮かれているが、元旦はそんな 暢気なものではなく、年の初めに一年の事をじっくり考える。それが本当の祝いとうものである」と、戦国時代、もっとも頭がいいと言われた武将毛利元就の言葉です。

  一年のスタートという節目は、新しい目標や計画を立てるのにとても最適なチャンスです。目標を立てて、百獣の王のように失敗を恐れず前進あるのみです。昨年までのことは、すっきりリセットして、新しい年をどのようにしていくか、決めることです。“今年は読書を頑張ろう!”“毎時間1回は発表をする!”“毎日日記を書く”。“学校休まない!” “友だちに嫌なことを言わない”“宿題は絶対に忘れい!”“スマホを触らない日をつくる”など、自分で目標をたてましょう。目標を立てたら紙に書く、また、人伝えることで、自分に言い聞かせましょう。

  新しい年、大きな一歩を踏み出すチャンス、その一歩を踏み出す勇気、それがチャレンジ。チャレンジすれば、きっと何かが変わる。チェンジ。チャンス チャレンジ チェンジでいきましょう。

『チーズはどこへ消えた?』から

令和4年1月4日(火曜)

  新年あけましておめでとうございます。皆様には、心新たに新しい年を迎えていただいたことと思います。平素より様々な立場で子どもたちのためにご尽力いただき、心から感謝申し上げます。

  新型コロナウイルス感染症によって、社会の変化が突きつけられ、様々な変化が求められています。このような急激な変化にどのように対応すればいいのかのヒントを示してくれるのが、全世界で累計2400万部を超えるベストセラー『チーズはどこへ消えた?』です。

  この物語では、チーズが隠された迷路を舞台に、2人の小人と2匹のネズミがチーズを探していきます。長い間、毎日迷路を駆け巡り、求めていた"チーズ"を発見することになります。無限にあるのではないかと思えるくらい膨大な量のチーズがある日突然無くなります。小人たちはどうして無くなったのかとうろたえ、チーズがもとに戻っているに違いないと確認するような日々が続きます。一方、ネズミは、新たな別のチーズを探し始めていたのです。そのうち、チーズが手に入らない日々が続くなか、小人の一人が何も食べなければ生きていけと、迷路を探索します。この物語のチーズは「私たちが人生で求めているもの」を表し、迷路は「チーズを追い求める場所」を表しています。たとえば、迷路は地域社会や会社、家族のことかもしれません。本書は最後に「変化は起きる。変化を予期せよ。変化を探知せよ。変化に素早く適応せよ。変わろう。変化を楽しもう。進んで素早く変わり、再びそれを楽しもう」と結んでいます。

  以前にも書きました「ゆでガエル理論」。人も動物も基本的に変化を嫌います。特に集団になった途端、より強く変化を拒絶するようになるようです。逆から考えると「みんなと一緒だから安心」ということになるのでしょうか。行動経済学ではこの心理作用を「現状維持バイアス」と定義しています。「現状維持バイアス」とは、大きな状況変化ではない限り、現状維持を望むバイアス。未知なもの、未体験のものを受け入れず、現状を現状のままに維持しようとする考えや行動のことです。今、学校も大きく変わるときに来ています。近年、急激に進む情報化や、グローバル化、AI(人工知能)の飛躍的な進化など、10年前では考えられなかったような激しい変化が起きています。さらには、コロナの影響で私たちの社会のありようが大きく変化しました。この先長く厳しい状況が続くことでしょう。こういうときこそ「変化」のチャンスです。私たちの新しい可能性は「変化」の先にあります。この状況を変化のチャンスと捉え、挑戦していくことが大切だと思っております。